世界遺産「醍醐寺」で秀吉のようにお花見してきた

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 土曜日にお花見に行ってきました。

もともと、奈良の吉野に行きませう、というお誘いがあって、吉野世界遺産にも指定されているというから私はそれはそれは楽しみにしていたのです。しかし、「あさぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪」という百人一首から私は雪深い地だと想像していたので、吉野の山の桜が見事だとか、紀伊山道が世界遺産に登録されているとは全く知らなかったのでした。

この吉野の桜は本当に有名らしく、毎年多くの花見客がどっと押し寄せてくるらしい。新古今集の中で「願はくば花の下にて春死なむその如月の望月の頃」と詠った西行法師も吉野を訪れていたという。西行は事実、陰暦2月(つまり、現在の4月初旬、桜たけなわの頃)16日に亡くなったわけですが、出来れば私も死ぬなら春に死にたい。春に生まれて、春に還る、というのが理想です。

さて、そんな吉野の山なんですが少し開花が遅れているようで山裾のあたりがようやく咲き始めた頃だと言う。代わりに醍醐寺にしましょう、という提案を受けて、そちらに行くことにしました。醍醐寺もまた世界遺産の一つに認定されており、秀吉が花見をした寺として有名なのだとか。

京都から一駅の山科駅で降りて、地下鉄東西線にのり4つめの「醍醐駅」で下りて、徒歩15分ぐらいです。

総門をくぐると、まず深遠な林の中から浮き出てくるような枝垂れ桜が!今が満開見頃。お茶屋が隣にあり、桜を眺めながらお茶菓子をいただくこともできる。風流だなぁ。

醍醐寺は、大きく「三宝院」「五重塔」「霊宝院」の三つに分かれている。まずは「三宝院」へ。

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三宝院の前にあるこの「唐門」は国宝。桃山時代のもので、門全体が黒の漆塗り、菊と桐の四つの大きな紋が渋い。もともとは金箔が施されていたらしい。

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院の中は撮影禁止なので残念ながら写真が撮れなかったのですが、こちらで少し見ることができます。

庭も美しいけれども、何より驚いたのが襖絵ですね。国宝の表書院は、下段、中段、上段とあって、下段は畳をあげると能舞台になります。襖絵は、四季を彩ったものや孔雀と蘇鉄を描いたものだったんですが、色彩の豊かさや描写力に圧倒されてしまいました。なんだ、これ!すごい。

奥宸殿は、今では田舎建ての象徴ともいえる「田の字型の間取り」。棚は、「醍醐棚」と呼ばれる有名な違い棚で、この違い棚こそ、修学院離宮の「霞棚」、桂離宮の「桂棚」とともに「天下の三大名棚」と言われているらしい。へぇー。

くるりんと寝殿造りを様式を取り入れた縁側を廻っていく。そうすると「純浄観」という秀吉が槍山で花見をしたときの建物を移築したものといわれている場所にたどり着くのだけれど、ここの内部の襖絵も圧巻でした。この襖絵自体はとても新しいもので、平成に入ってから浜田泰介画伯が桜・紅葉・雪景色を描いてあって、特に一番奥の床の間の桜は素晴らしいです。醍醐寺の夜桜。床の間のあたりの深い深い青緑色に幾重にも重ねられた花びらが浮き出てくるようで、まるでそのまま花びらが落ちてくるように感じるぐらい。

これは是が非とも見てほしいですね。

ここで気分が一気に盛り上がり、そのまま続けて国宝五重塔を見に行く。

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左側のおばちゃんの服装に目がくぎつけになっちゃいました。うーむ、派手だ。こちらも桜が満開でしたが、人が少なくてよかったですね。ほっとする。人混みにはちょっとうんざりしてました。

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その五重塔から先ほどの三宝院、霊宝館があるところへ戻る時に一枚。西大門がちょうど工事中だったので、ちょうど光りと影がいい具合に出てくれました。

ラストは「霊宝館」ここの枝垂れ桜は見事だと言う。国宝・重文や文化財を10万点あまり所蔵している収蔵庫。今がちょうど見頃!!!館の中の休憩室からは座って見られる特等席がありますが、人がいっぱいです。

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これで今年のお花見はもう存分に堪能しました。お腹がいっぱいです。そうして、山科駅から地下鉄にのって京阪三条へ向かう…(続く)

総本山 醍醐寺
住所/京都府京都市伏見区醍醐東大路町


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