気まぐれ

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 仕事帰り、ちょっと買い物をしたついでに、ふと気まぐれで花束を買うことにした。といっても、とても小さくささやかなブーケ。

 5分ほど、ショウケースの前で真剣に悩んだ後、やっぱり彼女にはこの色が一番しっくりくるな、と薄いピンク色のミニ薔薇を選んだ。

 彼女がこの色が好きだとかそういうわけではないのだけれど、時々まるで子供のような事を言う彼女のまわりには、こんな風にふぅわりとした明るい春の色がいつも見える気がする。

 以前にも書いたように、私は仰々しい大きな花束というものがあまり好きではない。もちろん、綺麗だとは思うけれど、自己主張が強すぎてあてられてしまうんだろう、多分。

 それよりも、私はただ一輪の、端正で凛とした薔薇だったり、一色か二色で彩られた小さな小さなブーケを嬉しいと思う。

 その静かな佇まいに惹かれる。

 帰宅して、「はい、どうぞ」と渡すと、母さんは少し驚いた風に受け取った。「もらってきたの?」だって。馬鹿だな。

 こんな風に、何かをあげたくなる日が時々ある。そんな夜だってあってもいい。

DSC05859_rose.jpg
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『気まぐれ』へのコメント

  1. 名前:てつぅ 投稿日:2007/03/07(水) 02:15:07 ID:8e5505e6f

    お花を贈って、気を悪くする人なんて、
    ほぼいませんよね。
    縁起が悪いのとか、花言葉が思っていたのと違っていた以外は。

    お母さんは、喜んでらっしゃるに違いないです。

  2. 名前:そら 投稿日:2007/03/08(木) 00:33:46 ID:7db5763f0

     そういえば、病院には百合の花を持っていってはいけない、とかありますね。花言葉に関しては全く知識がないので、もしかしたら「愛の言葉」が秘められていても全く気づかずにいそうです。まぁ、そんなのないけど。

     多分喜んだんじゃないかな。なんとなく。