アンバランスで繊細な作品を生み出すデザイナー「柳原照弘」

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柳原照弘という、デザイナーがいます。大阪芸術大学を出て、様々な作品を出しているデザイナーで、最近では建築にも携わっておられるようですが、この方のプロダクツがとても繊細で美しかったのでご紹介。

これは、2006年に発表された「Slant」というグラス。slantとは、傾斜した、という意味だけれども、今にも溢れてしまいそうなグラスに、思わず手をのばしたくなる。

slant_a_a.jpg

なんて、繊細なデザインで、人の心をゆさぶるものなんだろうなぁと驚いた。

他にもあって、こちらは「wane」という時計。

wane

waneは「(月の)欠け」という意味ですが、こちらは十五夜が満月とすればその少し手前、十三夜をイメージして作られているので形が完璧な丸では なく、すこし歪です。先ほどの「slant」もそうですけど、完璧なもの、よりも、何かが欠けていたり、ゆがんでいる方に人は惹きつけられずにはいられな い、というところをうまくついているような気がします。

モダンリビング オンライン BLOGでも取り上げられていました。

月の満ち欠けを意味する「WANE」という時計です。十三夜目の月をイメージしており、左側が少し凹んだいびつなフォルム が新鮮。数字がまったく書かれて いない文字盤の“後ろ”を針が回るという、時計のメカニックからすれば常識外れのアイデアが光ります。ちなみにこの時計、年内を目途に商品化されるそう。

そう、この背面に針があるのも面白いですよね。

アンバランス、なもの。

たとえば、生け花でもそういう考え方があります。大学で働いていた時に、少し生け花を習っていたことがあるんですが、その時に教えられたのは、生け花は「天、地、人」を表すのだ、と。そして基本は三角形で形成するのだけれど、シンメトリーではなく、アシンメトリー(左右非対称)にすることで世界の奥行きを表現するのだ、ということを教えられたのを思い出しました。

そして、このデザイナーは、アンバランスなものだけではなく、こういうシンプルだけれども「あぁ!こうやってあると欲しかったなぁ、確かにこういうの」という人の欲求をつくのもうまい。

例えばこれ。「COVER IT」。花器のように見えますよね、そう、まるでD-BROSのフラワーベースみたいじゃないか、と思われる方も多いでしょう。ところが、よくよく見ると、これは花器ではありません。中に入っているのは透明のコップ。それに編み目模様のカバーをかぶせて、まるで花器のように見せかけている、という。うまい。

cover_it01.jpg

他にも、「Pile, 2005」とか(Pileは、積み重なる、という意味)も素敵。何段にも重ねても使えるし、一段だけでもいい。

pile01_1.jpg

pile02_2.jpg

Thrust, 2005は、「突き出す」とか「押し込む」という意味の本棚。

thrust01.jpg

これもいい。押し込みたい!と思うもの。人間が本質的に持っていて、普段は隠れている欲求の「ひだ」をとらえることが出来るデザイナーだなぁと、感じた次第です。

【関連サイト】
TERUHIRO YANAGIHARA / ISOLATION UNIT

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『アンバランスで繊細な作品を生み出すデザイナー「柳原照弘」』へのコメント

  1. 名前:val 投稿日:2008/05/04(日) 10:30:49 ID:7caa30d96

    うわー!
    すごいですね、このデザインの数々。
    うん。
    こういうの好きだー。
    デザインってデコラティブなもののことだけじゃないんだよなぁ、と
    再認識しちゃいますね^^

  2. 名前:そら 投稿日:2008/05/06(火) 01:59:38 ID:10e4ee56f

    そう!
    そう来るか-!という驚きと喜びを感じさせてくれるデザインだな、と。

    素材は変わらないのに、
    発想を変えるとこんなにもぞくぞくするものに変わるんですよね。
    すばらしいデザインです。