建築家・槇文彦の作品「京都国立近代美術館」(岡崎)

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 日曜日に、岡崎にある「京都国立近代美術館」へ「ドイツ・ポスター 1890-1933」を見に行ってきたんですが、ちょっと見所がありすぎてかなり長くなりそうなので今回は三部構成でお届けします。第一部はやはりこの建物自体について。

京都国立近代美術館

設計は槇文彦(まき・ふみひこ)氏。

国内外で活躍している建築家の一人で、1985年には東京の「スパイラル」を設計。 AIAレイノルズ記念賞を受賞。その翌年にこの京都国立近代美術館を手がけ、BCS賞と公共建築賞建設大臣表彰を受賞。その後もヒルサイドテラス、東京体育館など次々と大きな作品を手がけ、今も台北駅地区再開発やワールドトレードセンタータワー4など、海外でも活躍中。

Wikipedia-槇文彦の項によると、丹下健三氏に学んだ後、アメリカに留学。「戦後モダニズム建築の正統的な建築家と評されている。 」と記されているが、確かに作品を見るとどれも装飾のないシンプルな直線美がとても美しいと感じさせる作品が多い。

ちなみに京都国立近代美術館についてはこうコメントしています。

Maki and Associates【槇総合計画事務所】 京都国立近代美術館

京都という歴史的都市のコンテクストの中で20世紀美術の場として現代という時代性をいかに表現するかが重要なテーマであった。風致地区の美術館として、 外観は静謐な佇まいとし、内部には企画・常設展示室、収蔵庫、講堂などの充実した機能を設けている。1.5mグリッドを外観表現の基準モジュールとし、水 平性と垂直性、近代と過去、透明性と重厚性、日本と西洋を二重の様相として外壁面に写し出している。

このコメントであげられているようにこのあたりは「風致地区」なのですが、ここに限らず京都は昨年「新景観条例」が施行されたことでも記憶に新しいと思いますが、かなり建築や景観に厳しいです。有名なところでは、マクドナルドやモスフードの看板が他の都道府県の色とは違う、というのはよく知られていますよね。マクドナルドの赤い看板、京都ではくすんだ血のような赤なのです…。

そして下の写真は神宮通のコンビニエンスストア…何かわかりますか?

そう。実はこれ「セブン・イレブン」なんです。ちょっとびっくりでしょう(笑)なんと屋根が瓦なんですよねー、遠目にみたらとてもセブンイレブンに思えないという…。

京都のコンビニ

この通りを歩いていくと、平安神宮の大きな赤い鳥居が見えます。

平安神宮の鳥居

この鳥居の右手側に、京都市美術館が。こちらは近代美術館とは随分雰囲気が違い、かなり重厚感のある造りでよく比較されることも多いそうです。

京都市美術館

この日は快晴、青空に朱色の鳥居が映えて、美しいです。

鳥居

こちらがエントランス。

京都国立近代美術館

ガラスのファサードの部分は右と左がシンメトリーになっていて、こちらは4Fまで上がる階段部分です。

京都国立近代美術館

建物の左側には、カフェテラスがありそのすぐ側には琵琶湖疎水が流れているというもう抜群のロケーションにこの美術館は建っているわけでして。

京都国立近代美術館 テラス

中に入るとまず目にはいるのが右手の渡り廊下。こちらはスタッフ専用らしく私たちは通ることが出来ません。その奥にあるのがミュージアムショップです。

京都国立近代美術館 内観

奥のガラス面は棚になっていて…

京都国立近代美術館 ミュージアムショップ

この時はグラスが飾られていたんですが、光が透過してとても綺麗。このグラス欲しい!

京都国立近代美術館 ミュージアムショップ

正面に目をやると大開団が三階へと続いており、展示はそこから始まります。ゆっくりと大階段を上っていくといやがおうにも期待が高まってきます。

京都国立近代美術館 内観

左手の奥には、休憩室が。ここがもう抜群のスペースで、展示が終わった後しばらく私はここに座って、ぼぉっと脳を休ませながら疎水と、向こうの方を歩く人を眺めてました。静かだし、あたたかい光が差し込んでくるし、わりと座り心地もよいし、ねむくなってしまうぐらい。

京都国立近代美術館

何より人がほとんどいない、というのがポイント。(笑)みんな展示をみたら、ショップに寄ってカフェでお茶してすぐに帰ってしまうのかもしれない。

京都国立近代美術館

さて、大階段を上がっていくと、吹き抜けの天井部分はトップライト。ただし直射日光が当たらないようにもちろん配慮されてます。

京都国立近代美術館

そしてここからゆっくりと展示をみてまわるんですが、かなり広い!点数も多かったので、出た時にはちょっと疲れて休憩。そこから四階にも展示室があるので、今度は先ほど外観左手に見えていたあのガラス部分の階段のところを上がっていきます。

この一本の朱色の赤、この色が鳥居の「朱色」を思わせ、建物だけで完結していない、周囲の風景をも内側にとりこんでいるのが伺えます。

京都国立近代美術館

そして、和紙のはさんであるガラスの合間から見えるのは、琵琶湖疎水。

京都国立近代美術館

ようやく四階に到着…ここからは四階の様子はまだ見えません。が…ここに一歩入ったら…

京都国立近代美術館

見事な鳥居が現れます。これには心底驚きました。すごい。これそのものが絵画のようです。 実はここもまた休憩室となっていて、人々はこの窓からの眺めを座ってじっくりと楽しむことが出来ます。なんて贅沢な眺め。下から見る鳥居もいいものですが…

京都国立近代美術館

こうやって鳥居と同じ高さから眺めるのも、ちょっと奇妙な感じで面白いです。このあたりにはタクシーがいつもとまってるんですが、ここから見るとなんだかミニチュアカーみたい。

京都国立近代美術館 鳥居

このあたりには、図書館や美術館、平安神宮、はたまた動物園から南禅寺まで色々あって観光の名所でもあるので、時間があるようでしたらここの四階に登ってみるとちょっとひと味違う京都に出会えるかもしれません。次回は、京都国立近代美術館のカフェレポートです。

【関連サイト】
私が美術館めぐりを始めたわけ: 京都国立近代美術館
:: 京都国立近代美術館 サイトーサイトのアートレポート
京都国立近代美術館(写真多数)

京都国立近代美術館 | The National Museum of Modern Art, Kyoto(オフィシャルサイト)
住所/京都府京都市左京区岡崎円勝寺町

TEL/075-761-4111
観覧時間/
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日/毎週月曜日


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