水之江忠臣デザインの二葉家具オリジナルソファに出会う(寺町二条)

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京都の寺町二条通りには、すてきな店が多い。流行の最先端のショップや、派手で目をひくような看板などはないし、人通りも車の数もまばらだけれど、そこには何十年もその場所に根付いて地元の人に愛されている店だったり、慎ましく、けれど一度行ったらまた訪れずにはいられない店が立ち並んでいるのだ。

そのうちの一つが「二葉家具」。

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(via 二葉家具)

最近、家具ショップをめぐるのが楽しい。自分の気に入るソファを見つけるのは実は結構難しいことなのだ。デザインもさながら、自分好みのスプリングの固さや、生地の肌触り、座り心地など、など。そして、好みも年々変わってくる。 昔はやわらかいふかふかのソファが好きだったけれど、最近は少し固めのしっかりとしたシンプルなソファが好きで、出来ればレザーなどではなくて布生地のものがよい。 カフェでも、座り心地を確認するんだけれど、これだ!というのにはなかなか出会えなかった。

が。 これは…結構いいぞ!と思ったのが、先日二葉家具で出会った二葉家具オリジナルのこのソファでした。

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(via futabafurniture Tadaomi Mizunoe)

まさに私好みの座り心地!!!

お店の方も、随分と薦めておられたんですが、うん、確かに。例えば、飽きれば布の張り替えも出来るし、北欧の布生地を使うのでなければお値段もそれなりにおさえられるみたいです。「一生使っていける家具」になりそうな予感。

買うのであれば、このソファがいいなぁ、と私の心の中の「Wishlist」にぽんっとすんなりと入ってきた一品。

ソファについては、村上春樹の小説に出てくる言葉がいつも思い浮かびますが、それについてはこちら。→ sorarium – 職人によるリメイク家具屋「finger marks」(フィンガーマークス)「ひとつの良いソファーはもうひとつの良いソファを生み、悪いソファーはもうひとつの悪いソファーを生む。そういうものなのだ。」ってやつです。

さて、実はこの二葉オリジナルのソファは、実はかなり有名なインテリアデザイナーがデザインしたものだった。 水之江忠臣氏という、1950年代を代表するインテリアデザイナー。二葉家具とのつきあいは、京都は岡崎にある「京都会館」での仕事を通して始まったらしい。彼はもともと「前川圀男建築設計事務所」(これまた大変有名な建築家で、丹下健三などもこの設計事務所から輩出)で働いていて京都会館の内装を設計事務所が、家具を二葉家具が引き受けたところからだそう。

水之江先生は「景色よし」、「味よし」、「人情よし」などとこよなく京都を愛されて京都に通い、また当社の姿勢も真剣であったことから信頼関係も厚くなっていき、「こんなものを二葉家具でやってみないか?」とご発言され、当然喜んでお受けしたのが「Mシリーズ」であります。

一人掛けが当初であり、これが完成するのに随分日数と根が要りました。線一本描く作業でも、「定規などを使って描く線には気持ちが入らず、意味がない」と同じ線を納得いくまで何度も描かれ、試作においても”積んだり”、”くづしたり”の作業を延々と続けられました。2年弱の根比べが続き、先生は東京~京都を往復され、そして出来上がったのが「M-101(1人掛け)」、「M-102(2人掛け)」、「M-201(テーブル)」である。

フタバオリジナル「Mシリーズ」(水ノ江氏のイニシャルからとられた)が水ノ江氏最後の作品だそう。

ちなみに、水ノ江氏は1954年に神奈川県立図書館の閲覧用の椅子をデザインし、それが製品化された椅子はGマークの選定商品にもなったほどの名作と言われてる。通称「図書館椅子」と呼ばれるこの椅子は、背もたれ部分がゆるやかなカーヴを描き、長時間もたれて本を読んでも疲れないように設計されているのだそうだ。

うーん…この椅子もよいな。

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(via knulpAA 水之江忠臣の小イス)

ちなみに二葉家具の本店は、河原町二条でこちらは7Fまである。ただし、寺町店の方が入りやすい雰囲気はしてるけれどね。

【関連サイト】
but Bitter life : 二葉家具(工場の様子がちらっと)

二葉家具
住所/京都市中京区寺町通二条下る
TEL/075-231-0953
営業時間/9:00-18:30(平日)10:00-18:30(土、日 祝日)
定休日/火曜日


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