京都掛札さんが「嗚呼!越山先生」というテレビ番組に出演していた

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あ、と思った。

一昨日、京都テレビにチャンネルをあわせると、色とりどりのカラフルな風呂敷が一瞬目に飛び込んで来たから。

huroshiki

この大胆でポップな図案、鮮やかな色彩、独特の結び方。あぁ、掛札さんだ、と、ぴんと来てそのまま見続けていると、どうやら「嗚呼!越山先生」という番組で、書家・俵越山(越前屋俵太)が全国各地の職人さんたちを訪ねる、という企画のようでした。

Craftsman’s Coffee Break. : 越前屋 俵太さん。

昨年11月頃から年末にかけて 何回も何回も取材・撮影に来て下さったわけですが、その撮影が越山さんの往年の探偵時代を思わせる突撃リポートぶりでして、ほぼ全く打ち合わせ無し、いや、その打ち合わせごと撮影するというなんとも面白い番組作りやなぁと感心してました。

京都 掛札さんは、四条堀川に店を構える風呂敷のお店。

kakefuda

といっても、ただ風呂敷がずらりと並べられて売られているだけ、のお店じゃありません。実は、風呂敷のデザインを考えて、染めて、縫製まで、全てを行っている、老舗の「染め物屋」さんでもあります。

風呂敷いろいろ 京都 掛札|京都 掛札について

そしてこれまた染め物屋さんの中でも、デザインから型彫り・染め・縫製・仕上げまで、 すべて一軒でまかなうお店というのは珍しく、こと風呂敷に関してこのようなかたちで手作りしているところは、 京都ではうちだけだと思います。

番組内容まとめ(サイトからもちょっと引っ張ってきました)

  • もともと正絹風呂敷(オーダーメイド)だけを扱っていた
  • 正絹風呂敷の場合は、デザインをお話ししながら決定し完成するまで、半年から一年かかる。
    最長で二年半ぐらい。
  • 価格はサイズ次第。大体、5cm四方の小風呂敷で¥36,750~、 約70cm四方の風呂敷で¥42,000~とかなり高価。特別な風呂敷として。例えば結納に使う家紋入りの風呂敷など。
  • 二代目(三代目のお父さん)は、自分の代でたたもうと思っていた。
    昔は、他の仕事につくことなど許さない、といった風習があったが、そういう時代でもない。
  • 三代目は、京都市立芸術大学卒業後、家業を継ぐ。ちなみに、メディアアートのような学科専攻だったが、卒業作品は「のれん」。
  • 三代目の弟も、アパレル業界に就職後、昨年から、家業を手伝い始めた。
  • 三代目が、2005年から綿の既製品(レディメイド)の風呂敷をデザインし販売開始。
  • 綿風呂敷は、105cm四方で1枚¥5,460(税込)
  • パッケージは三代目の個人的な趣味で、LPレコードのジャケットと同じサイズ。
  • きっかけは、中村勘三郎(現・勘九郎)氏の襲名挨拶品で制作した綿の風呂敷。
  • 風呂敷の包み方も、京都・掛札オリジナルの包み方もある。
  • 綿風呂敷のデザインは全て三代目のアイデア。
  • デザインが仕上がったら、いつもお母さんが見てみる。
  • ローリングストーンズの「ミックジャガー」が店に一人で来たことがあった。(もちろんおしのびで)
  • 「正絹風呂敷」の見本を欲しい、と言われたが、見本で自分(三代目)の名前がサンプルとして入っているので、これは売り物じゃないので、と断ると怪訝そうだった。
  • 作るのであれば、半年~かかることを伝えると「明日には英国に帰る」と言うので、心の中で(それは知ってる!)とつっこんでいた。
  • 最終的にミックが購入したのは、観世水の柄のもの。
  • 観世水は、「流れる水は腐らず」を意味する図案。
  • 実は「Rolling Stones」とは、「転がる石に苔むさず」という意味なので、すごくふさわしい柄だ、という事は、ミックが帰ってから気がついて、言えばよかったと後悔した。

といったような内輪話が、かなり面白かったです。観世水は、こんな柄↓

kanzemizu

俵氏の正絹風呂敷と掛札さんのコラボ風呂敷の制作

で、そこからは、俵氏の正絹風呂敷と掛札さんのコラボ風呂敷の制作。何度もデザインのやり直しがあり、最終的には、俵氏が「墨」で書いた俵のイラストと、掛札の「小槌」をあわせた、正絹風呂敷としてはありえない大胆な柄のものに決定。お母さんが、正絹では、あまりこういうのはしたことがないと驚いていました。

ただ、問題は、墨で書いた感じにするために、筆のかすれ部分がちゃんと出るのか。色を重ねて大丈夫か。そういった技術的なことは、二代目と三代目の間できっちりと話し合いが行われます。

そして、いよいよ制作。最初に、墨で輪郭を描いてから、水洗いをし、乾かして…といくつもの工程を踏み、ようやく完成した風呂敷が
こちら。こういう工程を見る機会(ちなみに工房はお店の奥)は絶対にないので、すごく興味津々で見てました。

「(熱で)色が動くんですよ」と言った二代目の言葉が印象的。

さて、この風呂敷。木綿バージョンが現在作成中だそうで、俵氏のサイトで予約受付中。2月には実物が出来上がるので、そうすると掛札さんのお店で購入できるそうです。販売価格は7,777円 (税込)。

掛札×越山 – 木綿風呂敷 『俵小槌』 初回限定版 –

初回限定100枚の風呂敷には、「制作段階での未公開デザイン画」が見られる特典DVD付きらしいです。…ちょっと見たい!

さて、この番組。京都近郊の方なら、再放送が、1/24(土) 11:00~あるのでお見逃しなく!!!

すごく面白かった。こういう京都の職人をとりあげる番組はもっとどんどんしてほしいです。

【お店DATA】
京都掛札
住所/京都府京都市下京区岩上通四条下ル佐竹町386(地図
TEL/075-821-3230
FAX/075-811-0107
営業時間/10時~18時
定休日/水曜日(祝日の場合は営業)

ちなみに、このムック本の表紙も、掛札さんの「観世水」です。

京都を買って帰りましょう。 (エイムック 1309)
エイ出版社
売り上げランキング: 189678
おすすめ度の平均: 4.5

5 和雑貨の大好きな方に
4 じっくり

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『京都掛札さんが「嗚呼!越山先生」というテレビ番組に出演していた』へのコメント

  1. 名前: 投稿日:2009/01/24(土) 11:52:16 ID:980be9fd9

    はじめまして‥突然の書き込み失礼致しますm(_ _)m
    今‥まさに、嗚呼!越山先生を観覧中です。
    俵太さんが大好きでテレビをつけたら\(≧▽≦)丿目を止めて見入ってます。
    素敵な風呂敷が出来ましたね。こんな番組をもっといろんな人に知って欲しいなと思いました。優

  2. 名前:こねこ 投稿日:2009/01/24(土) 12:53:36 ID:2fb5eadde

    20日の夜 偶然たまたま見てました。
    初めて見た番組で「何をしてるんだろ?」と分からないまま見てたんですが、面白かったです。すぐHPもみました。

    興味のあったとこ?
    工程の大変さとかはもちろんですが、気に入ったのは奥さん!(笑)ああいう人好きだなぁ。

    風呂敷はあまり使う機会がないけど、入り口の左側に映っていたかばんのようなものが気になる…。

  3. 名前:そら 投稿日:2009/01/24(土) 22:25:54 ID:002a2471f

    >優さん
    今晩は、いらっしゃいませ。
    再放送見られたんですね。
    私、俵越山さんってあまり知らなかったんですがかなり有名な方だったんですね。越前屋俵太、という名前は聞いたことがありましたが。

    コラボ風呂敷はすごく斬新でしたね。それも正絹なのに!
    一生ものですよね~。
    伝統があってこそ生まれる新しいものって素晴らしいです。
    京都には何代も続いているお店があるので
    そういうのはどんどん紹介してもらいたいと思います。

    実際、書籍やムック等では紹介されていますが、
    映像で見るとまた違いますから。

  4. 名前:そら 投稿日:2009/01/24(土) 23:07:49 ID:002a2471f

    >こねこさん
    同じ時間見てたんですねー。
    私は、掛札さんにはまだ行ったことがないんですが
    ずっと行きたい行きたいと思っていたので
    すぐにわかって、目が釘付けでしたよ。

    奥様はからっとしていて、面白い方でしたね。
    私も好きです。

    鞄のような風呂敷だと、着物じゃなくても合うし
    私も欲しいなぁと思ってみてました。

  5. 名前:てつぅ 投稿日:2009/02/01(日) 11:00:11 ID:96cfd2cc3

    昔、関西テレビの番組のいちコーナーとしてやっているときは、
    毎回楽しみにしていました。

    今は京都チャンネルで流れているのですね。

    京都チャンネル未加入です。

  6. 名前:そら 投稿日:2009/02/02(月) 00:06:52 ID:f759818db

    >てつぅ君

    あ、書き方がちょっと違いますね。
    正確にはKBS京都なので、
    多分見られるのではないかと。

    関西テレビでもやってたんですね。へぇ。
    KBS京都の「京のいっぴん物語」とか見るのもわりと好きです。