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決意

 北浜は、騒々しい大阪にあってレトロな街並みが美しく、特に夜ともなれば、やわらかく暖かみのあるガス灯のような照明の光や石造りの橋、静かな中之島公園、土佐堀があって、まるでヨーロッパのような雰囲気で私がとても好きな場所でもある。

 ちょうど満月も冴え冴えと頭上に光って、心地よい気温の中、酔い覚ましに少し歩くことに。

 そうして、私は一つの、揺るぎない決意を口にする。この言葉を口にするまでに、迷ったり、傷ついたり、傷つけたり、さまよっていたけれど、もう迷わない、と思った。

 私は、ただ、まっすぐに背筋を伸ばして、きちんと生きていきたかった。

 そのために、あの夜、私はやるべきことをやったのだ。いくら自分が必要としていても捨てなければいけないものがあったからそうした。握りしめたまま壺から手をぬくことなど出来ないことはもうとっくの昔にわかっていたから。

 無くした後に、少しだけ泣けたけど、涙はすぐに止められた。こうするべきだったのだ、もっと早く。

 私は、他の誰かの足りない部分を埋め合わせるためにいるわけじゃないし、誰かに足りない部分を、あの人で埋め合わせるなんて、そんなの間違っていることは明かだった。わかってはいたのに、実際に認められるとそれはそれでちゃんと私は傷ついたりしてしまって、情けなくもなったけど、だけど仕方ない。私がそれを望んだのだから。

 嫌な部分や、満足できない部分なんてもちろん無い方がいい。だけど、それらがもしあったとしても、別の何かで埋め合わせたりするなんて、ルール違反だってこと。

 いいところだけとるなんて卑怯な真似はもうしない。今、この手の中にあるものだけで、なんとかやっていくしかないのだ。みんなそうやって、まっとうに生きているし、それが正しいことなんだと、私もやっと思えるようになったから。

 私はあの人が言ったように、器用になんかなれないし、なろうとも思わない。そんなもの私にはいらない。きちんと、襟を正して、前を見据えて、卑怯にならないように。

 そうして、私はまっすぐに彼を見つめる。

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